2.Amiの話 Ami 190904

スクーナー Amiは決して豪華なヨットではありません。外国から買ってきた舟でもありません。静岡県沼津市の小さな造船所で建造された52フィートの小さな帆船です。二本マストガフ トップスルスクーナーと言う日本では少ないリグを持つ帆船です。

設計は横山あきら氏、建造された最初の船名は海王、今は Amiと言う船名で駿河湾を中心に活動しています。船体は14ミリ耐水ベニヤとFRPのサンドイッチ構造、マストもガフもバウスプリットも150年前のスプルス材で伝統的な寄木組み合わせ構造、ウインチはアンカー用を除いて一本もありません。カムクリートなどはこの舟で見ることは出来ません。Amiを動かすにはゲストを含めた全員が声かけあいながら協力しないとタックすら出来ません。

一言で言えばとてもめんどくさい舟です。

初稿19年9月4日

1.冒険 日常の中の冒険 170306

人が船を使って地球上の何処へでも旅するようになった頃、16世紀の後半。人々は星や太陽により自分達の位置を探った。コロンブスやマゼランにとって【緯度線】という横位置は、太陽の高度や北極星の位置により比較的易しく割り出した。だが、【経度線】と言う縦位置は容易ではなかった。主に航速から経線を推測した。しかし潮の流れや風の強弱によって常に船足は変化する。彼らの航海は難渋を極めた。

正確な時計があれば経線の測量は正確になし得る。が、当時の振り子式の時計は揺れる船の上では使えない!18世紀、クロノメーターの出現によってその時計は完成した。キャプテンクックとエンデバー号は正確なクロノメーター式時計によって南太平洋上の島々を発見していった。「進化論」や「種の起源」を唱えたダーウインはビーグル号の航海によってそれらを証明した。彼の船には22個のクロノメーター式時計が積まれていた。

航海と時計の発達は密接に関係している。今、私達の腕にある全く狂いのない時計はこうした物語を私たちに語りかけている。

航海と時計の少し長いお話でした。
17年3月6日初稿